TikTokは自身で制作したオリジナル動画を投稿して人気を獲得しているクリエイターがいたり、宣伝や収益化を目的とし独自の活用をしている企業やタレントが多くいたりします。
最近のTikTokを見てみると動画だけでなく、テレビやアニメの映像、人気の漫画やイラストの動画が流れているのを見かけませんか?実はこのようなコンテンツは無断転載に該当し、TikTokの利用規約違反や著作権の侵害をしている可能性が高いのです。
本記事では、TikTokの無断転載は著作権違反なのか、無断転載するとどうなるのかや無断転載になる例についてご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
TikTokの無断転載は禁止されてる?
TikTokの無断転載は著作権法違反になる
TikTokの無断転載は著作権法違反になる行為です。著作権法第21条の複製権に違反する行為に該当します。複製権は「オリジナルコンテンツの制作者は、著作権に守られており、制作者以外が個人の利用目的以外で複製してはいけない」と定められています。例えば、テレビやドラマの放送を録画する行為は認められていますが、その映像を制作者に無断でTikTokなどのSNSに投稿する行為は禁止されています。また、録画した映像を一部編集して投稿する行為やダウンロードしたものを知人に渡す行為も著作権違反に該当しますので、注意しましょう。
TikTokの利用規約違反になる
TikTokの無断転載はTikTokの利用規約で禁止された行為です。TikTokのアプリを始める際に、利用するにあたってサービス規約やコミュニティガイドラインで利用規約が定められています。無断転載は「著作権の侵害」に該当する行為と記されているため、違反になった場合、アカウントの停止や動画の削除などペナルティを受ける可能性があります。また、他のSNSやテレビから動画を切り抜いて投稿する行為は、制作者から訴えられるなどのトラブルに発展する可能性もあります。TikTokの利用規約で禁止されている行為ですので、利用規約を遵守しましょう。
TikTokで無断転載するとどうなる?
TikTokで無断転載するとアカウントがさまざまなペナルティを受けることになります。最悪の場合、法的なトラブルに発展する可能性もあるため、注意する必要があります。
では、TikTokで無断転載するとどうなるのかについて、具体的に見ていきましょう。
動画が削除される
TikTokで無断転載すると、動画が削除される可能性があります。著作権者や代理人が、無断転載に対して著作権侵害の異議を申し立てた場合、TikTokはその申し立てを審査し、適切な措置を講じます。そして、著作権侵害が確認された場合、該当する動画は削除されます。再生回数の多い動画や元からある動画が削除されたり、フォロワーや視聴者とのコミュニケーションが途切れたりする可能性があります。また、動画が削除されると違反理由の通知が届きますので、必ず確認しましょう。
シャドウバンされる
TikTokで無断転載すると、アカウントがシャドウバンされる可能性があります。著作権侵害を複数回行うと、TikTokが対象ユーザーのアカウントをシャドウバンすることがあります。シャドウバンとは通知のないペナルティのことを言い、サイレントで処分が下されるため、自分では気付きにくいです。動画を投稿してもおすすめに乗らなくなったり、再生回数が増えなかったりします。つまり、「いいね」や「コメント」がつかないため、再生回数やフォロワーが増えにくくなります。ただし、無断転載した動画を削除すると、シャドウバンが解除される場合もあります。
複数回の無断転載が続くと垢BANされる
TikTokで複数回の無断転載が続くと垢BANされる可能性があります。垢BANとは、アカウントの利用停止またはアカウント削除のことを指します。
違反の度合いにより、以下の処分が下されます。
- 一時停止:24~48時間の間、動画の投稿やコメント、ライブ配信ができない
- 永久停止:アカウントにログインができなくなる
垢BANされると一時的または恒久的にTikTokの利用が制限されます。一時停止は比較的軽微な罰則なのに対し、悪質であると判断された永久停止は重度な罰則です。いずれも著作権違反に該当することには変わりはありませんので、無断転載はしないようにしましょう。
製作者から訴訟される
TikTokで無断転載すると、製作者から訴訟される可能性があります。なぜなら、無断転載は著作権違反であり、著作権者は損害賠償請求や差し止め請求など、侵害者に対して法的措置を講じることができるからです。つまり、著作権者がTikTokで自分の作品などを無断で使用されていることに気付いた場合、侵害者に損害賠償を請求することができます。また、損害賠償を請求されると多額の罰則金を支払わなければなりません。著作権違反には重い罰則もあるため、TikTokに限らず無断転載はしないようにしましょう。
TikTokの無断転載になる例
テレビやアニメの映像を切り抜いて投稿する
TikTokの無断転載になる例の1つ目は、テレビやアニメの映像を切り抜いて投稿することです。テレビやアニメの映像は著作権で保護されており、許可を得ず複製やSNSに投稿することは違法行為に該当します。例えば、ドラマやアニメの名シーンを切り抜いて投稿すると著作権の侵害になる可能性が高いです。TikTokでは、短い動画が投稿されることが多いですが、それでも著作権保護の対象となる映像を無断で使用すると権利者からクレームがくる場合があります。映像を無断で使用するのはやめましょう。
CDやカラオケの楽曲を使用する
TikTokの無断転載になる例の2つ目は、CDやカラオケの楽曲を使用することです。CDやカラオケの楽曲も著作権で保護されており、許可なく使用することは著作権の侵害に該当します。例えば、自分が持っているCDから曲を抜粋してTikTokの動画に使用したり、カラオケで録画した音源を使用したりすると著作権の侵害に該当する可能性が高いです。使いたい楽曲がある場合は、TikTokのBGMから使用するようにしましょう。
他人の動画を編集して投稿する
TikTokの無断転載になる例の3つ目は、他人の動画を編集して投稿することです。他人の動画の著作権は制作者にあるため、一部を編集して投稿する行為も著作権の侵害に該当する可能性が高いです。そのため、他人の動画を使用したい場合は必ず制作者に許可を得るようにしましょう。
商用利用フリー以外の画像・イラストを使用する
TikTokの無断転載になる例の4つ目は、商用利用フリー以外の画像・イラストを使用することです。画像やイラストは制作した本人に著作権があるため、フリー素材以外のものを無断で使用すると著作権の侵害に該当する可能性が高いです。画像やイラストを使用したい場合は、フリー素材や自分で制作したイラスト、許可を得た他人のものを使用するようにしましょう。
他のSNSに無断で投稿する
TikTokの無断転載になる例の5つ目は、他のSNSに無断で投稿することです。他人が制作した動画を他のSNSに無断で投稿する行為も著作権の侵害に該当する可能性が高いです。例えば、最近ではTikTokの動画をYouTubeで見かけることが多いですが、他のSNSに許可なく無断で投稿した場合は無断転載に該当します。他人が制作した動画を投稿したい場合は、必ず制作者に許可を得るようにしましょう。
TikTokの無断転載を見つけたら?
無断転載の動画を違反報告する
無断転載された動画を発見したら、動画を違反報告しましょう。まずは、通報したい動画を開きます。
次に、画面右下の「シェア」をタップします。
次に、「シェア」から「報告する」を選択します。
次に、違反理由を選択します。無断転載ですので、「偽造品と知的財産」を選択します。
最後に、「知的財産権の侵害」を選択すれば、報告が完了し、運営が審査するので該当する動画が削除されるのを待ちましょう。
無断転載しているアカウントを違反報告する
無断転載しているアカウントを発見したら、アカウントを違反報告しましょう。
まず最初に、通報したいアカウントのプロフィールを開きます。次に、「シェア」から「報告」を選んで違反理由をつけます。無断転載に該当するため、「著作権または商標権の侵害」を選択しましょう。
通報して運営から悪質であると判断されれば、アカウントの停止処置が取られます。また、違反報告は運営が審査したあとに無断転載と認められた場合、動画の削除とともにアカウントが停止されます。
TikTokで無断転載にならないようにする方法
オリジナルの動画を投稿する
TikTokで無断転載にならないようにする方法1つ目は、オリジナルの動画を投稿することです。なぜなら、自分で制作したオリジナルの音楽や映像ならば、著作権の侵害に該当するリスクはなく、安心して動画を投稿できるからです。さらに、オリジナルの動画を制作することで、他のユーザーと差別化された独自のスタイルを確立し、注目を集めることができます。また、オリジナルの映像であれば、著作権を気にすることなく自由に編集して投稿できます。
著作権フリー素材の画像・動画を使用する
TikTokで無断転載にならないようにする方法2つ目は、著作権フリー素材の画像・動画を使用することです。フリー素材の画像や動画を活用すれば、無断転載になるかを気にせず、著作権侵害のリスクを回避しながら、動画制作ができます。ただし、フリー素材を使用する際は、利用規約や条件を事前に確認し、遵守しなければなりません。フリー素材ごとに異なる条件が設定されていますので、きちんと確認しましょう。
投稿者に許可を取ってから転載する
TikTokで無断転載にならないようにする方法3つ目は、投稿者に許可を取ってから転載することです。無断で転載することが著作権侵害になるため、投稿者や著作権者に直接許可を得ることで他人の楽曲や映像を合法的に使用することができます。その際は、使用したい著作物の権利者を調べ、連絡を取り、使用許諾を申請しましょう。また、個人のSNSやサイトであれば直接DMなどを送ることで、使用許可をもらえる可能性があります。なお、使用許諾を得る際は、権利者が許諾料を請求する場合があります。そのため、予算や目的に応じて、他の著作権に引っかからない方法も検討してみましょう。
動画内で作品を紹介する
TikTokで無断転載にならないようにする方法4つ目は、動画内で作品を紹介することです。動画や画像の無断使用はできませんが、動画内で作品を紹介することは、引用の形式で紹介できるため、無断転載にならず、著作権の侵害にもなりません。引用するためには「制作者」「販売会社」「引用したページ」の引用元の出典を記載する必要があります。また、引用したからといって、画像をそのまま使ったり、作品の画像が中心になったりすると無断転載に該当する可能性があるので注意が必要です。
TikTokの無断転載に関するよくある質問
YouTubeの動画をTikTokに無断転載するのは違法?
YouTubeの動画をTikTokに無断転載するのは、著作権の侵害に該当する可能性が非常に高いため、違法と言えます。YouTubeはTikTokと同じく人気のサービスです。YouTubeをよく利用する方なら分かると思いますが、TikTokから転載されていると思われる動画が多くアップされています。TikTokでバズりそうな動画を見つけてYouTubeで無断転載することは、著作権の侵害に該当する可能性が高いので絶対にやめましょう。
インスタにTikTokの動画を無断転載するのは?
インスタにTikTokの動画を無断転載するのは、YouTube同様、著作権の侵害に該当する可能性が非常に高いため、違法と言えます。TikTokの場合は基本的に短い動画ですが、YouTubeやインスタの場合は短い動画だけでなく、長い動画もたくさん投稿されています。TikTok以外の他のSNSに正式な許可を得ず、勝手に投稿する行為は著作権の侵害に該当しますので、行わないようにしましょう。
TikTokで漫画を無断転載するのは違法?
TikTokで漫画を無断転載するのは、TikTokの利用規約違反と著作権の侵害に該当するため、違法と言えます。TikTokでは漫画や雑誌などの画像を切り抜いて、そのまま投稿するケースが多く見られます。TikTokなどのプラットフォームで漫画を投稿する際は、原作者や出版社の許可なく無断転載することは違法ですので、必ず許可を得るようにしましょう。
TikTokで他人の動画を再投稿するのは違法?
TikTokで他人の動画を再投稿する行為は、TikTokの再投稿機能を使えば、違法にはなりません。動画の右端にある共有の矢印マークをタップすると、黄色で再投稿マークが出てくるのでそれをタップするだけです。
他人の動画をダウンロードし、再度自身で投稿し直すという行為が著作権の侵害に該当する可能性があるため、再投稿機能を活用すればトラブルや問題を未然に防ぐことができます。また、再投稿するのはリツイート機能と同じようなものなので、違法にはならないと言えます。
TikTok無断転載まとめ
本記事では、TikTokの無断転載は著作権違反なのか、無断転載するとどうなるのかや無断転載になる例についてご紹介してきました。TikTokでは著作権を無視した投稿をしているコンテンツが見られますが、トラブルや問題に発展する可能性があることを自覚していない人がいるのが現状です。
どうしても他人の制作したものを使用したいのであれば、無断転載にならない方法もあるので、安全にTikTokを活用していただきたいです。
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