TikTokの広告運用で「中々収益化できない」「最適な広告配信の種類が分からない」などと悩んでいる方もいると思います。多くの広告主が、ユーザーに効果的なリーチ方法を探していますが、Pangleを活用することでその悩みが解消できるかもしれません。
実は、Pangleはモバイル広告に特化したプラットフォームで、ターゲット設定や広告配信の最適化を簡単に行えるため、多くの成功事例が生まれています。
本記事では、Pangleの基本的な特徴や広告の種類、出稿手順などを一挙に紹介します。どのような業界で活用できるのか、どのような広告形式が効果的なのかを解説し、具体的な活用事例を通して実践的なノウハウをお伝えします。本記事を最後まで読めば、Pangleを使いこなせるようになりますよ。
Pangleとは？
Pangleの概要
Pangleは、TikTok For Businessが運営している、最先端のモバイル広告プラットフォームです。モバイルゲームアプリなどからの大量の高品質な広告在庫を強みに、TikTok For Businessから広告出稿する際に活用することができます。
またPangleでは、モバイルゲームアプリの他にも音楽アプリや漫画アプリなど、さまざまなアプリ内の広告配信が可能で、ターゲット層や訴求内容に合わせて最適な広告を選べることができる特徴があります。
さらに、Pangle広告は、日本国内では2020年時点で5100万人ものユーザーに配信されており、アジア・中東・東欧・アメリカ・オセアニア地域など、8億人以上のユーザーにリーチできるため、TikTok広告において注目されている広告手法なのです。
Pangleのユーザー層
Pangle広告は、2019年7月から日本で参入が開始され、2020年には5100万人ものユーザーにリーチされています。2020年にPangleが公式に発表したデータでは、日本を含めて主にアジアや中東地域の幅広いエリアのユーザーにリーチが可能です。
- 2020年に韓国へ参入、毎月4100万人の韓国ユーザーにリーチ
- 2020年には、ベトナム・タイ・マレーシア・インドネシア・エジプト・トルコ・サウジアラビア・アラブ首長国連邦・ロシアなどでサービスが開始
Pangle広告はより多様な業界でのサービスを活用し、より多くのユーザーへのリーチを目的としてゲームアプリを中心に出稿されるため、幅広いユーザーにリーチが可能です。また、高品質な広告在庫が豊富にあり、グローバルなユーザーにもリーチが可能であるため、今後も獲得できるユーザー層は増えていくでしょう。
Pangleと相性の良い業界
Pangleと相性が良い業界は、主にモバイルアプリの収益化を目的とした業界です。Pangleは、モバイル向けの広告ネットワークに強みがあり、ユーザーの行動に基づいたターゲティングを行えるためです。
主に以下の業界がPangleと相性が良いと言えます。
【モバイルゲーム業界】
モバイルゲームアプリは、Pangle広告の主要なターゲットです。特に動画リワード広告やインタースティシャル広告が効果的で、ユーザーがゲームプレイ中に広告を視聴することで報酬を得る仕組みを提供できます。
【エンターテインメント業界】
動画ストリーミングサービスや音楽アプリなど、エンタメ系のモバイルアプリにもPangle広告が最適と言えます。動画コンテンツの前後や途中にインタースティシャル広告を挿入することで、ユーザーの視聴体験を損なうことなく収益化を実現できます。
【教育業界】
語学学習アプリや資格試験対策アプリ、子供向け教育アプリなど、教育分野でもPangle広告は収益化に貢献します。特に、無料で提供されているアプリに広告を表示する形で、ユーザーが学習を続けながら広告を見ることで、収益化を図ることができます。
【旅行業界】
旅行予約アプリや観光ガイドアプリなど、旅行業界にもPangle広告が適しています。ユーザーが旅行の計画を立てる過程で、関連する商品やサービス（航空券、ホテル、ツアーなど）の広告を配信できます。
これらの業界は、Pangleの広告フォーマットを上手く活用することで、ユーザーのエンゲージメントを維持しつつ効果的に収益化することが期待できるでしょう。
Pangle広告の種類
動画リワード広告
動画リワード広告は、ユーザーが広告動画を視聴することで報酬を得られる広告形式です。主にモバイルアプリやゲーム内で利用され、ユーザーが動画広告を見終わると、ゲーム内でアイテムや特典などが提供されます。
動画リワード広告のメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
- ユーザーは報酬を得るために広告を視聴するため、視聴率が高い
- ゲームやアプリの収益化が促進され、広告主もターゲットユーザーに効果的なリーチができる
- ユーザーは広告視聴を強制されるわけではなく、報酬が提供されるため、広告に対する抵抗感が少ない
【デメリット】
- ユーザーがリワード目的で視聴するため、広告の効果が一時的に偏ることがある
- 報酬依存が進むと、広告視聴が目的化し、アプリ本来の目的に対するモチベーションが低下する可能性がある
広告主は、ターゲットに十分な商品宣伝ができ、アプリ企業は広告収益の増加が期待できるため、ユーザー維持率の増加やeCPMの向上を狙いたい場合には、動画リワード広告を利用してみましょう。
インタースティシャル広告
インタースティシャル広告は、アプリやゲームの画面全体に表示される全画面広告です。通常、アプリの遷移時や画面の切り替え時に表示され、ユーザーに強いインパクトを与えることができます。
インタースティシャル広告のメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
- 画面全体を占めるため、ユーザーの目に留まりやすく、認知度が高い
- ユーザーが画面遷移時に自然に広告を見るため、広告収益を効果的に得られる
- ユーザーの行動や属性に基づいたターゲティングが可能なため、広告効果を最大化できる
【デメリット】
- 広告が強制的に表示されるため、ユーザーにとっては煩わしく感じる場合がある
- ユーザーによってはスキップ機能を使って広告を避ける場合もあるため、効果が薄くなる可能性がある
高い訴求力が期待でき、没入感もあるため、エンゲージメント率やクリック率、コンバージョン率を高めたい場合には、インタースティシャル広告がおすすめでしょう。
ネイティブ広告
ネイティブ広告は、アプリのコンテンツやユーザーインターフェースに溶け込む形で表示される広告形式です。広告のデザインがアプリの見た目に自然に調和し、ユーザーに違和感を与えずに配信されます。
ネイティブ広告のメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
- 広告がアプリのデザインに溶け込むため、ユーザーにとって違和感が少なく、快適な体験を提供できる
- ユーザーが広告をコンテンツとして受け入れやすく、クリック率が向上する傾向がある
- ユーザーの行動や嗜好に合わせた広告が表示されるため、効果的なリーチが可能
【デメリット】
- ネイティブ広告はデザインに工夫が必要で、制作に時間とコストがかかることがある
- 広告が自然すぎる場合、ユーザーに過度な宣伝感を与える可能性がある
広告出稿時にテンプレートを使用すれば、自動的に最適なクリエイティブに仕上げられるため、ネイティブ広告を活用することで、クリック率の向上が期待できるでしょう。
アプリ起動時広告
アプリ起動時広告は、ユーザーがアプリを開いた際に最初に表示される広告です。アプリの立ち上げ直後に全画面で表示され、ユーザーがアプリのコンテンツにアクセスする前に視聴させます。
アプリ起動時広告のメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
- アプリを開いた瞬間に表示されるため、ユーザーの目に最初に入り、視認性が非常に高い
- 起動時に広告を表示することで、ブランドやプロモーションを強く印象付けることができる
- ユーザーが必ず目にするため、収益化が安定しやすい
【デメリット】
- 起動直後に広告が表示されることで、ユーザーがアプリにすぐアクセスできず、ストレスを感じてしまうことがある
- ユーザーが広告をスキップしたり、早急に閉じてしまうことがあり、効果が減少する場合がある
インタースティシャル広告と同じくフルスクリーンで広告が表示されるため、クリック率やeCPMを高めたい場合には、アプリ起動時広告がおすすめでしょう。
バナー広告
バナー広告は、アプリやWebページに表示される小さな広告です。通常、画面の下部や上部に表示され、ユーザーがコンテンツを見ながら広告を視聴できます。
バナー広告のメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
- ユーザーのアプリ体験を妨げることなく表示されるため、ユーザーが広告に対して抵抗感を抱きにくい
- ユーザーがアプリを操作している間、バナーが常に目に入るため、長時間の露出が可能でブランド認知度を高める
- 他の広告フォーマットに比べて、実装が比較的簡単で、短期間で収益化が可能
【デメリット】
- バナー広告は目立ちにくいため、他の広告形式に比べてクリック率が低くなることが多い
- 常に表示されるため、ユーザーが広告に慣れてしまい、効果が薄れる可能性がある
バナー広告は、一般的な広告フォーマットとなっており、範囲が小さくユーザーの邪魔にならないため、シンプルで使いやすい広告です。
プレイアブル広告
プレイアブル広告は、ユーザーが広告内で簡単なゲームやアクションを体験できる形式の広告です。ゲームやアプリの一部を実際に操作できるため、ユーザーが楽しみながら広告を体験できます。
プレイアブル広告のメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
- ユーザーが広告内で実際に操作を行うため、インタラクションが増え、クリック率やコンバージョン率が向上します
- 広告がゲームの体験を提供するため、ユーザーの興味を引きやすく、楽しんで広告を視聴してもらえる
- 実際にアプリやゲームを体験できるため、ユーザーに対して製品やサービスの理解を深めさせることができます
【デメリット】
- プレイアブル広告を制作するためには、開発やデザインのコストがかかることがある
- ユーザーが広告を体験する時間が長くなることがあり、短時間で結果を求める場合には向かない
プレイアブル広告は、広告自体が楽しめるコンテンツであり、ユーザーが広告に積極的に関与するため、通常の広告よりも高いエンゲージメントが期待できるでしょう。
Pangle広告を出稿する手順
Pangle広告を出稿する前に準備すること
Pangle広告を出稿するためにはまず、以下の3つを準備しましょう。
- 広告素材（基本的には縦型ショート動画）
- LP（広告に関連するランディングページなどのURL）
- プロフィール画像
クリエイティブは、Pangle広告で配信の多い動画リワード広告枠に表示可能な25秒〜30秒の縦型ショート動画を優先することをおすすめします。広告素材は、複数用意し、テストを繰り返し行いながら効果的な素材を選びましょう。また、商品の認知度向上や購買数の増加など、広告出稿をする目的や広告配信をするターゲット象もあらかじめ明確にしておきましょう。
Pangle広告の出稿手順
Pangleで広告を出稿する手順は以下になります。
1.TikTok For Businessにアクセスし、アカウントを作成
まず、Pangleの公式サイトにアクセスしてアカウントを作成します。必要な情報を入力し、アカウントを開設しましょう。
- メールアドレス
- 電話番号
- パスワード
- 会社の所在地
- ビジネス名
- 業種
- 会社のWebサイト
- 支払い情報
支払い情報に関しては、後からでも設定が可能です。「請求先住所」「税務情報」「支払いタイプ」を入力し、確認ボタンをクリックすると自動的に審査が開始されます。また、支払いタイプには、「自動決済（後払い）」と「手動決済（前払い）」がありますが、選択後は変更できませんのできちんと考慮した上で選択しましょう。審査開始後、ステータスが「審査中」になり、「審査完了」になったら審査が完了となります。審査には通常、1〜2日程度時間を要します。
2.広告出稿の目的を設定
アカウントを作成できたら、TikTok For Businessの管理画面内から「広告を作成する」をクリックし、広告を作成します。
広告の目的は、以下の7つから選択できます。
| 目的 | 目的の内容 |
| リーチ | ブランドの認知拡大 |
| トラフィック | Webサイトへの流入数の増加 |
| アプリインストール | アプリインストール数の増加 |
| 動画視聴数 | 動画広告視聴率の増加 |
| リード作成 | 顧客のリード情報の獲得 |
| コミュニティインタラクション | TikTokアカウントのフォロワー数、プロフィール閲覧数の増加 |
| コンバージョン | コンバージョン率の増加 |
目的を設定後、キャンペーン名や予算を設定します。「スプリットテストを作成します」を選択すると、異なるターゲット層への広告セットを比較し、より良い広告戦略を提案してくれます。
3.プレースメント設定
プレースメント設定では、広告を配信したい場所を設定します。キャンペーン作成後は変更ができないため、慎重に選択しましょう。
配信先は、以下の2つから選択できます。
- TikTok
- Pangle
これらの2つに配信する場合は「自動プレースメント」、特定の場合に配信したい場合には「手動プレースメント」を選択し、配信したいプレースメントを選択します。ただし、複数のプレースメントで配信すると配信が偏る傾向があり、TikTokとPangleで媒体の性質も異なるため、Pangle専用の「広告セット」での配信を選択するのがおすすめです。
また、Pangleでは、「ブロックリスト」によって配信対象から除外するアプリを選択できます。除外したいアプリがある場合は、リストを作成し除外設定も行いましょう。
4.ターゲット設定
ターゲット設定では、Google広告などの他の広告のように、ユーザー属性や興味・関心に基づき、以下4種類のターゲティング設定ができます。
| 種類 | 内容 |
| ユーザーリスト | ユーザーリストを使用したターゲティング |
| デモグラフィック | ロケーション、性別、年齢、言語 |
| 興味・行動ターゲティング | 興味・関心、動画インタラクション、クリエイターインタラクション、ハッシュタグインタラクション |
| デバイス | システムバージョン、デバイスモデル、通信環境、キャリア、デバイス価格 |
ターゲット設定を細かく行うことで、特定の属性を持つユーザーに広告を届けることができるため、無駄なインプレッションを減らして広告の効果を最大限に引き出すことが可能になります。
5.配信スケジュール設定
広告を配信するスケジュールを設定します。配信スケジュールは、広告セット設定時に「予算とスケジュール」で開始日や終了日を選択します。また、特定の曜日や時間帯を細かく設定したり、「一日中」を選択して常に広告を配信することも可能です。配信スケジュールを適切に設定することで、ユーザーのアクティブな時間帯に広告を届け、より高い効果を得ることができます。
6.広告素材のアップロード
広告素材をアップロードすると審査が行われます。広告審査は制作した広告素材がフォーマットの条件に該当しているか、TikTokの出稿ポリシーを遵守できているかなどが審査されます。通常、2～3日で審査結果が出ますが、審査を通過しなければ広告は出稿できません。審査を通過できなかった場合は、再び広告素材を制作し直し、再度審査を受ける必要があります。審査を通過することで初めて広告配信を行うことができます。
Pangle広告の活用事例
活用事例①Playrix
PlayrixのフラッグシップゲームTownshipは、街づくりと農業を組み合わせた楽しい体験ができるゲームです。Townshipの全体的な設定や混合型の収益モデルを考慮し、ゲーム内にPangleの動画リワード広告をシームレスに組み込む新たな方法を展開しました。Pangleの動画リワード広告を導入した結果、1ヶ月あたりの有効インプレッション単価（eCPM）が35％増加し、同社の月次売上高も28％以上の伸びとなりました。
活用事例②Kolibri Games
Kolibri Gamesは、動画リワード広告を導入し、ARPDAUが12.52％に向上した成果があります。中でも特に人気のアプリ「Idle Miner Tycoon」は、目を引くビジュアルと高度なゲームプレイを提供しているため、課金率と平均セッション時間は堅調でしたが、主要なゲームからより多くの価値を生み出すことを目的にPangleを導入しました。結果、動画リワード広告で、Idle Miner TycoonのCPMは12.65％増加しました。
活用事例③GMO media
GMO mediaは、ユーザー体験を優先した上で収益化を図るため、小説の章と章の間にインタースティシャル広告を設置。ユーザーが広告とコンテンツを簡単に見分けられるように、インターフェースとプレースメントは入念にデザインをしました。PangleのCPMターゲットツールを導入したことで、利益の高い収益化システムにより、常に95％のフィルレートを獲得できるようになりました。
Pangle広告のまとめ
本記事では、Pangleの基本的な特徴や広告の種類、出稿手順などを紹介しました。
Pangleは、モバイル広告プラットフォームとして、ターゲティングや多様な広告形式で広告主に強力なツールを提供してくれます。
動画リワード広告やインタースティシャル広告、ネイティブ広告など、さまざまな広告タイプが選べるため、どの業界でも効果的に活用できます。Pangleを使いこなすことで、収益化やブランドの認知向上が実現可能になるでしょう。
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