世代を問わずユーザーが増え続けているTikTok。TikTokは一つの動画の中で様々な情報を発信できるので、広報活動のツールとして利用することを検討している企業も増えているようです。今回は企業が広報活動のためにTikTokを利用するべき理由や、TikTokで企業がバズる方法、企業がTikTokを利用する際の注意点、TikTokでバズった企業例などについて解説します。TikTokで企業がバズる方法に関してのよくある質問についても紹介するので、自社の広報活動にTikTokの利用を検討している方は参考にしてください。
TikTokで広報活動をするべき理由
TikTokで広報活動を行う企業は増え続けていますが、その理由としては拡散力が高いことや他のSNSよりは競合相手が少ないこと、リーチ層が幅広いことなどが考えられます。企業が広報活動にTikTokを利用すべき理由について詳しく解説しましょう。
拡散力が高い
TikTokは動画そのものが評価される傾向にあります。TikTokには「おすすめ機能」があり、アカウントをフォローしていないユーザーにも投稿動画を見てもらう機会が多いですが、TikTokが動画をおすすめする評価基準は、投稿した動画に対するいいね率や動画の保存率、シェア率、平均再生時間、再生完了率、プロフィール閲覧率、フォロー率の高さです。つまりTikTokでは開設したばかりのアカウントでも投稿した動画が高く評価されれば、投稿したジャンルに興味をもつ多くのユーザーに「おすすめ」され、動画の視聴率が上がることによって、さらに多くのユーザーに情報を拡散することができます。動画を1本投稿するだけで多くの視聴者の消費行動を促す可能性が広がるTikTokは、フォロワーをある程度の数に増やさなければ情報発信力が高まりにくい他のSNSよりも拡散力が高い広告ツールの一つと言えるでしょう。
他のSNSより競合が少ない
InstagramやX（旧Twitter)、YouTube、FacebookなどのSNSで積極的に広報活動を行っている企業は既に非常に多く、そのようなライバルの多い中で消費者の興味や購買欲を獲得するのは大変難しい状況です。一方TikTokはユーザーや投稿動画数は飛躍的に増え続けていますが、まだ若い世代が自分たちの楽しみのために利用しているSNSというイメージが強いためか、TikTokを効果的な広告ツールとして認識し、利用している企業は現状では少ないのではないでしょうか。他のSNSでは注目されにくくても、競合相手が少ないTikTokであれば突出してユーザーの関心を惹くことができ、費用対効果の高い広報活動ができるはずです。ただし多くの企業がTikTokの広報効果に注目し始めているので、広報活動の一環としてTikTokを採用するのであれば、競合相手が増えすぎないうちにTikTokでの活動を開始して、アカウントの認知度を上げた方がよいかもしれません。
幅広い層にリーチできる
10代から20代の若年層によるダンス動画などで盛り上がり始めたTikTokですが、今や様々なジャンルの動画が投稿され、30代以降の中高年層のユーザーも増え続け、ユーザーの平均年齢は上昇しています。もちろん若年層のユーザーも少なくなったわけではないので、TikTokでは幅広い層のユーザーにリーチすることが可能です。中高年層や高齢者向けの商品やサービスを扱っている企業でも、TikTokで広報活動を行うメリットは大きくなったと言えます。
企業がTikTokでバズるとどうなる？バズることで得るメリット
企業がTikTokで動画をバズらせることで期待できるメリットとしては、自社の認知度拡大や商品やサービスの訴求効果の向上、企業自体のファン獲得があります。それぞれのメリットについて、詳しく解説しましょう。
自社の認知拡大が期待できる
TikTokで投稿した動画がバズって多くの人に注目されることで、自社の認知度は各段にアップするでしょう。TikTokでバズった場合の動画の拡散力の勢いは爆発的です。こんなにバズる動画を投稿したのはどんな企業なのか、ユーザーが興味をもつのは当然のことでしょう。広報活動で企業の認知度を上げるには多くの場合、多大な時間とコストがかかりますが、TikTokでは１つの動画で企業の認知度を上げることが期待できます。
商品やサービスの訴求効果が高まる
TikTokで投稿した動画がバズると、動画内で紹介した商品やサービスの訴求効果は高まるはずです。バズった動画で紹介されているというだけで、その商品やサービスの魅力は数倍増しに感じられるのではないでしょうか。バズった動画内で紹介された商品やサービスだけでなく、動画がバズることによってアカウントが注目され、過去に投稿した動画で紹介した他の商品やサービスの訴求効果も高まるかもしれません。
企業自体にファンをつけることができる
TikTokで投稿した動画がバズると、投稿したアカウントに興味を持つ人は多いはずです。アカウントに企業のホームページアドレスのURLを貼ったり、企業で運営している他のSNSとリンクしていれば、企業のホームページやTikTok以外のSNSをチェックするユーザーも増えるのではないでしょうか。TikTokへの動画投稿が企業のファンを獲得することにつながることも、企業がTikTokを広報活動のツールとして利用するメリットの一つです。
企業がTikTokでバズる方法
企業がTikTokを利用してある程度の宣伝効果を得るためには、バズりやすい動画を投稿する必要があります。TikTokで動画をバズらせるには、動画の冒頭を意識することやインフルエンサーの起用、広告の活用、ターゲットの明確化、ビジネスアカウントでのインサイト分析が効果的です。TikTokで企業が投稿をバズらせる方法について、それぞれ詳しく解説しましょう。
冒頭の2秒で離脱されないようにする
企業がTikTokでバズるには、投稿した動画で視聴者の心をつかむ必要があります。動画で視聴者の心をつかむには、動画の冒頭が大事です。動画の冒頭で視聴者の興味を惹かなければ、動画はスキップされ、何もアピールできないでしょう。TikTokに投稿する動画を作成する際は、冒頭の約2秒間に印象的な効果音やインパクトのあるシーンを使用しましょう。冒頭で視聴者の興味を惹きよせ、最後まで離脱させることなく動画を視聴するように仕掛けるのが、動画をバズらせることにつながります。
インフルエンサーを起用する
TikTokで企業がバズる方法の一つとして、インフルエンサーの起用が有効です。インフルエンサーとは、TikTokやInstagramなどのSNSで数千から数十万、あるいはそれ以上のフォロワーを持つ人を指します。インフルエンサーが動画内で「お気に入り」や「おすすめ」として紹介した商品が爆発的に売れることは、TikTokではよく見られる現象です。インフルエンサーにとっても、企業とのコラボを通じて自身の知名度や信用度を向上させるというメリットがあります。ただし、企業が個人で活動するインフルエンサーを起用する際は、契約上のトラブルなどのリスクが伴う可能性がある点にも注意が必要です。また、企業のイメージを損なわず、広報活動にプラスとなるインフルエンサーを適切に選ぶには、キャスティングの専門知識が求められることも少なくありません。そのため、インフルエンサーを起用する際には、インフルエンサーのキャスティングを行っているTikTok運用代行会社の利用を検討することをおすすめします。
広告を上手く活用する
企業がTikTokでバズりたいのであれば、TikTokの広告を活用するという方法もあります。TikTokの広告は「おすすめ」の中に混じって表示されるので、ユーザーが広告を見せられているという不快さを感じにくく、バズる可能性も少なくありません。TikTokの広告は種類が多く、広告費も様々です。例えばアプリ起動直後に流れ、多くの人が目にしやすいTopView広告の掲載には数百万円かかりますが、広告を運用しながら配信内容や広告ターゲティングの設定が変更でき、金額によって広告の掲載場所が変わるブランドオークション形式の運用型広告など比較的リーズナブルな広告もあるので、予算に合わせて広告を柔軟に活用することができます。
明確なターゲットを設定する
企業がTikTokでバズるためには、投稿する動画について誰にアピールするための動画なのかを設定する必要があります。ターゲットの年代や性別、属性などを細かく絞り込むことによって、どのようなタイミングでどのような情報を発信すればよいのかが明確になるはずです。TikTokには毎日莫大な数の動画が投稿されています。広報活動のターゲットとなる視聴者の興味と動画の内容がマッチングすることによって広告効果は飛躍的に上がり、バズることも可能になるでしょう。
ビジネスアカウントにして、インサイト分析を行う
TikTokには動画の投稿を収益化する際などに利用するビジネスアカウントがあります。企業がTikTokでバズるためには、ビジネスアカウントの活用がおすすめです。TikTokのビジネスアカウントでは投稿動画や視聴者の属性情報を把握し、インサイト分析を行うことができます。TikTokのビジネスアカウントで確認できる情報は投稿した動画の合計再生時間・合計視聴回数・平均視聴時間・動画がフル視聴された割合・リーチした視聴者数・地域別視聴者数・視聴者の属性などです。動画のインサイト分析によって、企業によるTikTok運営の方向性を改善したり、より宣伝効果の高い動画を作成することが可能になります。
TikTokで広報活動する際の注意点
TikTokは企業の広報活動のツールとして強力な武器になり得ますが、取り扱い方を間違えると企業に大きなダメージを与えかねないということも忘れないようにしましょう。TikTokで広報活動を行う際の注意点について解説します。
炎上に繋がる投稿はしない
企業がTikTokをはじめとするSNSを広告宣伝ツールとして利用する上で一番注意することは炎上するような動画を投稿しないということです。TikTokで動画が炎上すると、動画で紹介した商品やサービスだけでなく、企業が提供している他の商品やサービスにも影響が出たり、企業のブランディングに大きなダメージを与える可能性も小さくありません。SNSでの炎上はデジタルタトゥーになりやすく、一度マイナスイメージがついてしまうと払拭するまでに時間がかかり、企業経営に支障をきたす事態になりかねないことを忘れないようにしましょう。企業がTikTokを運用する際は個人で行うのではなくチーム体制を整えることや、TikTok運用に関する社内マニュアルに基づいて動画を投稿することなどといったリスク管理が必要です。
企業のブランディングから外れた投稿はしない
企業がTikTokで宣伝効果を得るためには動画をバズらせることが必要ですが、動画がバズればどんな内容でもかまわないというわけではありません。企業にはブランドイメージがあり、TikTokの動画投稿をはじめとする広報活動は、ブランドイメージを守ることが前提です。たとえ大きくバズることが予測されたとしても、企業のブランドイメージに傷がつくような動画投稿は避けるべきでしょう。TikTokで企業の広報活動として動画を投稿する際は、企業イメージから外れた内容にならないよう、十分な注意が必要です。
投稿を疎かにしない
SNSの中でも特にTikTokはトレンド性が重要視され、更新頻度が低いアカウントは忘れられやすい傾向にありますが、企業のアカウントも例外ではありません。投稿動画が少ないことでフォロワーや企業のファンを獲得する機会を逃している可能性もあります。企業がTikTokでバズるためには投稿頻度を疎かにしないことが大事です。動画の投稿頻度や投稿時間帯を一定にすることで、「この日のこの時間帯には新しい動画が投稿される」というユーザーの期待感を高めることができます。しかしユーザーの期待を裏切らない質の高い動画の更新頻度や更新時間帯を一定に保つことは、動画の撮影・編集・炎上対策にかかる時間や手間を考えると簡単なことではありません。動画の更新頻度や更新時間を一定に保つことが難しい場合は、TikTok運用代行会社に業務を委託することを検討してもいいかもしれません。
TikTokでバズった企業
TikTokでバズった企業例を紹介します。どの企業もTikTokの動画投稿で自社のブランドイメージを高めることに成功しているので参考にしてください。
ドミノピザ
ドミノピザはピザにトマトソースを塗る様子を撮影した動画を投稿したところ、既に100万回以上再生されています。自分たちが食べているピザがどのように作られているのか知りたい、見てみたいという顧客の心理を上手に突いた点がバズった要因でしょう。またドミノピザは動画にトレンドを取り入れるのが上手で、流行っている楽曲や事象をドミノピザのキャラに置き換えた動画の投稿などがTikTokのユーザーに好評です。
焼き鳥どん
格安な値段で焼鳥を提供している焼鳥どんは、TikTokで「飲食店あるある」をネタにした動画を投稿し、集客を図っています。飲食店の内部事情や顧客とのやりとりをショートコント風に編集した動画は顧客や同業者に好評で、再生回数が伸びているようです。動画で紹介されているお店の雰囲気やお店で提供している料理の数々、動画に登場する店員に興味をもったユーザーが実際に来店するなど、TikTokに投稿した動画が顧客獲得に一役買っています。
三和交通
関東のタクシー会社である三和交通は、「おじさんがオフィスで踊りまくる」という動画を頻繁に投稿しています。管理職にある60代近い社員がコミカルに踊る姿は、若い世代を中心にTikTokユーザーの大きな注目を集めており、TikTokを利用することによって企業イメージを上げた代表的な成功例と言えるでしょう。三和交通ではTikTokの明るく楽しい動画の影響で求職者が増えたり、動画が話題で取引先との距離が縮まったなどといった効果が出ているようです。
株式会社リンクロノヴァ
TikTokのフォロワー100万人超えを誇る株式会社リンクロノヴァは仙台市の総合設備工事の会社ですが、社長自らがインフルエンサーとなり、『ながの社長のハッピーチャンネル』として会社での様々なシーンを動画投稿しています。社員が業務中に突然料理を作り始め、社長がその行為に驚き、諫めながらもついつい料理を楽しんでしまうなどといったほのぼのとした面白い動画がTikTokユーザーの心をつかみ、大きくバズる結果となりました。現在では芸能人やプロ野球球団とコラボするなど、地元だけではなく全国的にも有名になった社長は、TikTokを企業のマーケティング戦略構築のためのツールとした経営者の第一人者として、建設業界だけでなく経済界からも大きく注目されています。
TikTokのバズる方法に関するよくある質問
企業がTikTokでバズる方法について、よくある質問をまとめました。
TikTokで初投稿を伸ばす方法は？
TikTokで動画を投稿すると、通常180～200人程度の「おすすめ」に表示される仕様になっているようです。この180人～200人の「いいね」率や動画の保存率、シェア率、フォロー率などが高ければさらにTikTokで「おすすめ」され、バズる可能性も上がります。初投稿はアカウントの印象を左右することも多いので、ターゲットを明確にし、分りやすいメッセージを発信することなどを意識しましょう。また企業のホームページや他のSNSでTikTokでの初投稿を広く告知することも大事です。
TikTokで過去の動画はバズる？
TikTokで一つの動画がバズると、アカウントに興味を持ち、過去の動画も視聴するユーザーは増えるでしょう。過去に投稿した動画でも視聴率やいいね率などが高ければ、TikTokのおすすめに表示され、バズる可能性は上がるはずです。
TikTokの写真投稿はバズる？
TikTokで「写真投稿」には、最大35枚の静止画を横スライドで表示する「スライドショー」または複数枚の写真を選択するだけでアニメーションなどの編集が可能になる「フォトモーション」があります。どちらも音楽やコミカルな動きを添加することが可能なので、編集次第では写真投稿でもバズる可能性はあるでしょう。
TikTok広報まとめ
企業がTikTokを広報活動のツールとして利用することについて、利用するべき理由や、企業がTikTokを利用してバズる方法、企業がTikTokを利用する際の注意点などについて解説しました。TikTokを利用することによって大きな宣言効果を得ている企業が増えており、TikTokが企業の広報活動のツールとなり得ることは間違いないでしょう。一方でTikTokに投稿した動画が炎上すると、企業に大きなダメージを与えるリスクもあります。企業の広報活動でTikTokを活用する際は、誰に・何のために・どんなメッセージを発信するのかを明確にし、しっかりとしたリスク管理の下で、動画を投稿しましょう。
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