近年、多くの企業が自社製品の宣伝を目的としてTikTokで企業アカウントの運用をしています。普段TikTokを使用していて、企業アカウントの投稿動画や広告動画を見かけますよね。
様々な企業アカウントがTikTokを活用した事業を行っていますが、TikTokプロモーションを知っている方はいますでしょうか。TikTokには、投稿動画の閲覧数を増やしたり、フォロワー獲得に繋げたりするプロモーション機能があることをご存知でしょうか？広告運用に成功している企業は、プロモーション機能を活用しているのです。
この記事では、TikTokプロモーションの成功事例やメリット、広告を活用する際のポイントをご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
TikTokでのプロモーションとは？
TikTokでのプロモーションとは、投稿した動画の閲覧数を増やすための有料広告機能のことを言います。プロモーション機能を効率良く活用することで、より多くのユーザーにアプローチでき、フォロワー獲得が期待できます。また、動画の閲覧数を増やすことで、企業のブランディングや商品の認知度アップを目指すことが可能です。近年、マーケティングの目的で企業がTikTokを運用するケースが増えており、自社製品やライフハックを発信するアカウントが続々と登場しています。
TikTok企業アカウントのプロモーションにおける成功事例
プロモーションにおいて、自社らしさを表現できて、かつユーザーの目を惹く広告動画を制作できると良いです。どの企業も広告を上手く活用し、独自の方法でユーザーの興味を惹くようなプロモーションを制作しています。
では、TikTok企業アカウントのプロモーションにおける成功事例について、具体的に見ていきましょう。
インフィード広告
インフィード広告は、レコメンドをクリックして、画面をスワイプすると表示される広告のことです。広告表示時間は9秒〜15秒と長く、多くの情報を伝えたい場合に適しています。費用は42万円〜420万円程度と他の広告と比べて比較的安価です。また、投稿した広告は、他の投稿動画の中に混ざっている状態で表示されるため、広告感を感じさせにくい特徴があります。動画自体はプロモーションとして表示されますが、他の投稿動画と区別するためには、ユーザーが自然と興味を持つ広告を意識しなければなりません。いいねやフォロワーなどのエンゲージメント獲得や自社サイトへの誘導を促したいのであればインフィード広告がおすすめです。
DIESEL
DIESELは、インフィード広告「Brand Auction」を活用し、購買意向のアップリフトを300％向上させることに成功しています。TikTokの最大の特徴である縦型全画面・音声付きでの動画訴求により、高いブランドインパクトを残し、視聴回数を最大化させました。高いブランドインパクトを残すことができるだけでなく、高いCTR、安いCPUも効率的に展開できるため、ブランドプロジェクトに最適な広告です。
ZONe
ZONeは、自社商品の認知度向上を目的にインフィード広告「Brand Auction」を活用し、効率的に動画を視聴してもらうために、「最小単価入札」を導入しました。最小単価入札を導入したことで、手動入札時よりも視聴単価を6％削減することに成功しています。また、同時に全体のCPM数（Web広告が1000回表示されるごとにかかる費用）を24％効率化させることにも成功しました。
FUJIMI（ふじみ）
FUJIMI（ふじみ）は、カスタマイズサプリのサブスクを展開しており、サブスク利用までの流れをまとめた動画を作成しています。事前に美容分析の診断を受けた後、診断結果に基づいてカスタマイズされたサプリが届く内容となっています。「自身にとって必要なサプリを選択できる」という、カスタマイズサプリのメリットを伝えやすくしているだけでなく、商品やサービスの魅力の伝えやすさにも繋がっています。
アリシアクリニック
アリシアクリニックは、医療脱毛のクリニックです。あえて脱毛の内容には触れず、宣伝だと思わせない工夫がされた広告を出しました。人気楽曲でもある緑黄色社会の「Mela！」を起用し、ミュージックビデオのような演出がされており、ユーザーの興味を惹きやすいように作成されています。動画の完成度が高く、スキップされにくい動画の例として参考になるのではないでしょうか。
起動画面広告
起動画面広告は、TikTokアプリを起動した際に表示される広告です。静止画1種類と3秒〜4.9秒の無音動画の2種類があります。費用は1000回の表示につき770円の課金が発生し、全体の費用相場は500万円程度です。TikTokの全ユーザーに24時間表示させることができますが、1日1社のみの配信となっており費用が比較的高額な点が特徴です。また、起動画面広告は、広告内に自社サービスやリンクの設置も可能です。そのため、自社サイトへの誘導や自社製品の宣伝をしたい場合におすすめです。
株式会社サントリーコミュニケーションズ「デカビタ」
株式会社サントリーコミュニケーションズは、いち早くTikTokを活用した広告やキャンペーンに取り組み、成功させています。清涼飲料水「デカビタ」の広告において、文字数が少なく一目でどのような広告なのかが伝わりやすいデザインを採用しています。広告の掲載終了後も「全力〇〇始まるよー」という掛け声に合わせた投稿が続き、人気を獲得しました。
日本テレビ放送網株式会社 「家売るオンナの逆襲」
日本テレビ系列で放送されていた「家売るオンナの逆襲」のドラマ広告です。ドラマのワンシーンのようなカットで動画を撮影し、TikTokの動画投稿を行うという広告が採用されています。誰でも簡単に真似できるワンシーンを撮影して動画投稿をする心理をついた方法で成功しています。また、クリック画面では、シンプルなデザインにすることで、迷わず投稿しやすいように工夫されています。
株式会社ソフトバンク
株式会社ソフトバンクは、リンク誘導の文章に工夫を施した起動画面広告を出しました。リンクの誘導文を「リンクはこちら」ではなく、「ギガ国の入り口はこちら」という文言を使ったことで、ユーザーのワクワク感を誘いました。また、リンクもクリックしやすいよう、指が届きやすい位置に設置され、大きめのサイズになっています。
ハッシュタグチャレンジ広告
ハッシュタグチャレンジ広告は、企業がテーマとなるハッシュタグ（＃〇〇）を用意し、ユーザーにハッシュタグの内容に沿った動画投稿を促すユーザー参加型の広告です。費用は1000万円〜1700万円程度と他の広告と比べると高額ですが、拡散力が高く、認知度向上の効果があることが特徴です。また、広告感がなく、参加のハードルが低いため、ユーザーから受け入れられやすいです。さらに、投稿動画のエンゲージメント率はインフィード広告の約3倍と言われているため、高い宣伝効果が期待できるでしょう。
ユニクロ
ユニクロは、大手アパレルメーカーとして知られる企業です。「＃UTPlay Your World」というタイトルをつけたハッシュタグチャレンジを行いました。日本だけでなく、フランスやアメリカ、台湾で同時に開催し、お気に入りのユニクロ商品を着用した動画の投稿を募りました。各エリアの参加者から計5名がグランプリに選ばれ、SNSや世界中の店舗内モニターで流れる映像に出演できる権利が獲得できます。世界中に店舗を構えている利点を活かして行われたキャンペーンは、世界中のユニクロファンを盛り上げました。
ファイブミニ
大塚製薬は、自社で販売しているファイブミニを宣伝するため、TikTokでユーザーに動画を投稿してもらう方法を採用しました。また、「＃ファイブミニ」をつけた投稿を行ったり、プレゼントキャンペーンやインフルエンサーを起用した広告を出したりしました。もともとは、食物繊維の不足を気にしている30代〜50代をターゲットに売り出していたもののTikTokでバズり、1日あたりの売り上げが2倍に跳ね上がる結果になりました。
L’ORÉALPARIS（ロレアルパリ）
世界最大の化粧品メーカーとして知られる日本ロレアル株式会社では、L’ORÉALPARIS（ロレアルパリ）の宣伝として、ハッシュタグチャレンジを行いました。広告の特徴は、TikTokと共同開発したオリジナルのエフェクトを作り、「＃髪を咲かせよう」というハッシュタグをつけて動画投稿を行ったことです。若者から絶大な人気を誇る欅坂46をアンバサダーに起用し、おしゃれで可愛らしいエフェクトを使用した動画は注目を集めました。
日本ロレアル メイベリンニューヨーク
化粧品ブランドを展開しているメイベリンニューヨークは、新商品「SUPER STAY MATTE INK（SPステイ マットインク） Pink Collection」を宣伝するために、TikTok初のアジア地域でのハッシュタグチャレンジ「＃落ちないリップチャレンジ」を実施しました。リップ製品の持続性を高め、若い女性に新しいコスメ体験を提供することを目指しています。結果として、短期間での高い再生回数や多数の投稿がありました。
NIKEJapan
大手アパレルブランドのNIKEJapanは、公式アカウントからの拡散ではなく、TikTokの広告利用を目的としたハッシュタグチャレンジを行いました。「#NIKE塾ポーズチャレンジ」というタグを使って、NIKEJapan独自のエフェクトを活用したユーザー参加型のキャンペーンです。世界的に有名なアーティスト「新しい学校のリーダーズ」とタイアップした動画で、同じポーズができるかチャレンジする内容でした。NIKEのシューズや服を身につけているなど、商品やサービスを押し付ける雰囲気をほとんど出さない演出が特徴です。
日本マクドナルド
日本マクドナルドは、ワンコインで購入できるお得なセットメニューの認知獲得と来店を促すハッシュタグチャレンジを行いました。マックフライドポテトができあがった時の「ティロリ」の音に合わせて、簡単なダンスをしながら「500円バリューセット」を食べる動画を撮影するチャレンジです。このプロモーションでは、起動画面広告と人気インフルエンサーを起用した動画を流すインフィード広告からハッシュタグチャレンジページへ誘導しました。
ＡＧＣ株式会社
AGC株式会社は、会社名の認知度向上を目的としたハッシュタグチャレンジを行いました。内容は、自分で考えたアルファベット3文字を使って動画を投稿するもので、多くのユーザーから個性溢れる動画が投稿されました。また、当時TikTok初挑戦であった女優の広瀬すずさんを起用し、話題性も十分でした。「誰でも簡単に真似しやすい内容」「有名人の起用」をうまく取り入れた広告です。
株式会社ロッテ
株式会社ロッテは、発売から12年の歴史を誇る「Fit`s」のリニューアルを記念したハッシュタグチャレンジを実施しました。グローバルガールズグループNiziUをCMキャラクターに起用し、「＃フィッツダンスチャレンジ」を開始しました。人気グループと人気楽曲を使ったチャレンジは多くのユーザーが参加し、話題を集めました。
運用型広告
運用型広告は、自身で専用のアカウントを運用し、「TikTok For Business」というプラットフォームを活用して広告を出す方法です。動画共有アプリの「Buzz Video」や、モバイル広告プラットフォームの「Pangle」などを使った配信にも対応しています。費用はクリック課金の場合、1クリックで30円〜100円、インプレッション課金の場合は1000回の表示で100円〜1000円、再生課金の場合は1回につき5円〜60円となっています。インフィード広告や起動画面広告、ハッシュタグチャレンジ広告はまとまった広告費用が必要なのに対し、運用型広告は、少額の費用で広告を出すことが可能です。投稿動画の時間や価格設定も調整しやすいため、様子を見ながら運用したい企業におすすめです。
バルクオム
株式会社バルクオムは、18歳以上をターゲットとしたメンズスキンケアの宣伝広告をTikTok上で配信しました。ターゲットにメインで伝えたい内容をより早く伝えるために、動画の冒頭部分を1秒削ったり、ユーザーの反応が好評だった「香り」といった言葉を使ったりしました。また、アンケートに回答するだけで無料サンプルが貰える情報を製品画像と一緒に伝えたり、再生回数が多くなる夜の時間帯に動画配信を設定したりと細かい工夫がされています。このように、最も効果的な時間やユーザーの反応が良かった内容に適切に対応できれば、広告を見てもらえる確率も高まるでしょう。
きずな出版
きずな出版は、「20代にとって大切な17のこと」というタイトルの本を宣伝するTikTokで運用型広告を出しました。タイトルのとおり、20代をターゲットにした本であるため、若者から人気を獲得しているTikTokを活用しました。ターゲットを18歳〜34歳の男女にし、カテゴリーを読書に設定した結果、他の広告と比べてクリック数が約10倍になりました。動画の内容は、どのようなことが書かれているか15秒で分かりやすくまとめられており、若者に向けたメッセージが伝わるようになっています。また、音楽はテンプレートを使用しているため、低予算で運用できる成功例として参考になるでしょう。
BAKE（チーズケーキ）
BAKEは、実際にお店でお菓子を作り、出来たての商品をお客様に提供する工房一体のスタイルが魅力的なスイーツメーカーです。新商品の「潮風レモンチーズタルト」の販売に伴って運用型広告を開始しました。ターゲットを「顕在層（BAKEを既に認識している30代〜40代の女性）」と「潜在層（BAKEをまだ認識していない10代〜20代の男女）」の2つに設定しました。商品には瀬戸内レモンを使用しており、瀬戸内を舞台としたストーリー性が感じられる広告となっています。
【バズる】TikTokプロモーションを活用する時のポイント
冒頭2秒で惹きつけられる動画にする
1つ目のポイントは、冒頭の2秒で惹きつけられる動画にすることです。冒頭の2秒で動画を視聴するかどうか判断されるため、興味がないとすぐにスキップされる可能性があるからです。TikTokは、ショート動画が好まれる傾向があり、隙間時間などにテンポ良く視聴できるようになっています。ターゲットの興味を惹くような工夫を施して、最後まで視聴してもらえるような内容を意識しましょう。
広告感ない投稿を心掛ける
2つ目のポイントは、広告感のない投稿を心掛けることです。広告感のある動画はユーザーに違和感を与える可能性があるためです。例えば、オーガニック投稿の間に広告動画が挟まっているインフィード広告の場合は、広告感があるとすぐに分かるため、表示されたとしてもスキップされてしまいます。TikTokでよく投稿されている動画に馴染むような広告作りや、なるべく長く動画を視聴してもらえる工夫が必要でしょう。
アプローチしたいターゲット層を明確にする
3つ目のポイントは、アプローチしたいターゲット層を明確にすることです。ターゲット層を明確にすることで、ユーザーがどのような動画だと役に立ったのか・共感できると感じたのかが見えてくるからです。例えば、漠然と「20代女性、会社員」といったターゲットではなく、特定の一人に絞り込めるくらいまでにペルソナを設定しましょう。万人受けを狙うのではなく、特定の一人に向けて発信する気持ちで動画を制作すると良いです。
効果が出る広告の種類を選定する
4つ目のポイントは、効果が出る広告の種類を選定することです。TikTokには様々な種類の広告があり、それぞれ役割や効果が異なるからです。例えば、TikTokアプリを開いてすぐに表示される起動画面広告や、おすすめタブ内に出稿できるインフィード広告などがあるため、それぞれの広告の特徴を理解しなければなりません。TikTok広告は種類が多いので、予算と配信目的に合った広告を選定するように心掛けましょう。
TikTokのプロモーションのメリット
拡散力がある
TikTokプロモーションのメリット1つ目は、拡散力があることです。なぜなら、TikTokのアルゴリズムにより、関心のある動画が次々と表示されるからです。そのため、表示される動画をユーザーは長時間視聴し続けます。TikTokのアルゴリズムによって、良質な投稿動画は自然と拡散されやすい環境にあるため、拡散力が高いことは1つ目のメリットと言えるでしょう。
予算に合わせて低コストから始められる
TikTokプロモーションのメリット2つ目は、予算に合わせて低コストから始められることです。例えば、TikTokの運用型広告は、少額からでも始めることが可能で、従来の動画広告と比べ低コストで運用ができます。そのため、低コストで自社の商品やサービスを広範囲に認知させたい場合に手軽に利用できます。自社製品を自然に無理なくユーザーに訴求できることも、他の媒体にはないTikTokプロモーションの魅力でしょう。
広告の種類が多い
TikTokプロモーションのメリット3つ目は、広告の種類が多いことです。TikTok広告はインフィード広告やハッシュタグチャレンジなど、目的に合わせて様々な広告フォーマットを選べます。また、様々な広告の種類があるため、低コストでの運用やターゲット層へのアプローチなどが可能です。投稿動画やユーザーに合わせた広告を活用し、効率的な広告運用を目指しましょう。
幅広い層にアプローチできる
TikTokプロモーションのメリット4つ目は、幅広い層にアプローチできることです。なぜなら、TikTokは若年層から40代、50代まで幅広く利用しているため、従来の広告媒体に比べてリーチできるからです。そのため、アプローチしたい特定のユーザーに対して効果的に配信することができ、マーケティングの効果も大幅に向上します。TikTokプロモーションはコンバージョンに繋がりやすいターゲット層に集中してアプローチできるため、商品購入や申し込み増加が期待できるでしょう。
TikTokプロモーション事例まとめ
この記事では、TikTokプロモーションの成功事例やメリット、広告を活用する際のポイントについてご紹介しました。TikTokプロモーションは、拡散力の高さや広告の種類の豊富さが特徴で、そのメリットを活かした広告運用をしている企業アカウントは多く存在します。プロモーション機能を利用したいと思っている方には、成功事例やメリットをきちんと知った上で利用していただきたいです。
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