
SNSで「どの投稿が信頼できるのか分からない」と感じたことはありませんか?企業の広告を多く目にするものの、本当に信じていいのか悩む人は少なくありません。そんな中、注目されているのが実際のユーザーが発信する「UGC」です。
本記事では、UGCの基本からSNSマーケティングにおける重要性、活用法、成功事例まで詳しく解説します。これを読めば、UGCを活かした効果的なマーケティングのヒントが得られるため、UGCを味方につけ、信頼と売上を獲得しましょう。
UGCとは?

UGC(ユーザー生成コンテンツ)は、企業ではなく一般ユーザーによって作られるコンテンツのことを指します。企業目線の情報だけでは信頼を得にくい現代において、UGCは第三者のリアルな声として高い価値を持っています。
例えば、SNSでの投稿やレビュー、ブログなどが該当し、それらは企業にとって無料かつ強力なマーケティング資産となるため、SNSマーケティングには欠かせません。だからこそ、UGCを理解することは、今後のマーケティング戦略において欠かせない視点となるのです。
UGCの種類と特徴
UGCには多様な形式があり、それぞれが異なる役割を担っています。なぜなら、ユーザーが発信する情報は形式によって届く相手や影響力が変わるためです。
以下にUGCの種類と特徴を解説しますので、整理しておきましょう。
- SNS投稿
- SNS投稿は、ユーザーが自発的に発信する情報の中でも特に影響力のあるUGCの一つです。利用者が日常的にアクセスするX(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどで発信される内容は、多くの人の目に触れやすく、拡散力も高いため注目されています。実際に、SNS検索を毎日利用する人が多数いることからも、情報収集の手段として活用されていることがわかります。
- YouTube
- YouTubeに投稿されるUGCは、視覚的な情報が豊富で説得力があり、消費者の購買行動に影響を与える手段として効果的です。動画によって実際の使用感や体験がリアルに伝わるため、視聴者にとって信頼性の高い情報源となります。「料理」「メイクアップ」「ゲーム実況」などの分野では特に視聴されやすく、情報収集の手段として広く利用されています。
- 口コミやレビュー
- 口コミやレビューは、消費者の意思決定を後押しする重要な情報源として機能します。実際の利用者による評価は信頼性が高く、購入前の検討材料として欠かせません。ECサイトの商品レビューや、食べログ、Googleマップなどの評価が参考にされる場面も多く、コンバージョンに直結する力を持っています。
- 個人ブログ
- 個人ブログは、ユーザーが自身の体験や意見を自由に発信できる情報源として、多くの読者に親しまれています。身近なテーマを取り上げた投稿は共感を得やすく、検索結果からの流入も期待できます。特に、noteをはじめとする成長中のプラットフォームでは、「お取り寄せ」「旅行」「家の片付け」など多様なテーマが展開され、UGCとしての価値が高まっています。
- Q&Aサイト
- Q&Aサイトは、ユーザー同士が疑問や悩みを解決し合う形式のコンテンツであり、信頼性の高い情報源として重宝されています。個人の実体験や知識が共有されるため、検索エンジンからの流入も多く見込めます。「Yahoo!知恵袋」をはじめ、さまざまなプラットフォームで活用されており、UGCの一種として企業も注目しています。
このようにUGCは形式ごとの特性を理解することで、より効果的なマーケティング施策に活用することができます。
UGCとCGMの違い
UGCとCGMは混同されやすいものの、明確な違いがあります。UGCはユーザーが自発的に作成したコンテンツそのものを指し、CGMはそうしたUGCによって構成されるメディアやプラットフォームを意味します。例えば、レシピ投稿サイトや口コミサイト、Q&AサービスなどがCGMに該当し、その中にある投稿がUGCです。両者の関係を正しく理解することで、UGC活用の場をより効果的に選定できるようになるでしょう。
SNSマーケティングにおいてUGCが重要な理由5選

SNSマーケティングにおいてUGCが重要な理由は、以下の5つです。
- SNS利用者が増加しているから
- 消費者にとって情報の信頼性が高いから
- 売上に関係がある商品の指名検索の増加につなげられるから
- 購買決定に大きく影響するから
- 資産をストックできるから
UGCはSNS利用者の増加や情報の信頼性向上により、マーケティングで欠かせない存在です。では、それぞれの理由を詳しく解説します。
①SNS利用者が増加しているから
SNSマーケティングにおいてUGCが重要な理由の1つ目は、SNSの普及によりUGCの重要性が高まっていることです。なぜなら、利用者が増えれば投稿される情報も増え、それだけ多くのUGCが日々生まれているからです。実際、日本国内のSNS利用者は2022年時点で約1億200万人に達し、今後も増加が見込まれています。こうした背景から、SNS上でのUGCは消費者の意思決定や情報収集には欠かせません。
②消費者にとって情報の信頼性が高いから
SNSマーケティングにおいてUGCが重要な理由の2つ目は、UGCは消費者にとって信頼性の高い情報源として評価されていることです。なぜなら、企業発信の広告よりも、実際のユーザーの体験に基づいた情報のほうが、リアルで客観的と感じられるためです。例えば、レビューサイトやSNSの投稿は、購買前に最も参考にされる情報として多数の支持を集めています。そのため、消費者が信頼するUGCを活用することは、購入意欲の後押しにつながるため、マーケティング効果を高める手段となるでしょう。
③売上に関係がある商品の指名検索の増加につなげられるから
SNSマーケティングにおいてUGCが重要な理由の3つ目は、UGCは商品の指名検索数を増やし、売上向上につなげられることです。なぜなら、指名検索は他社と比較されにくく、購入率が高いためです。例えば、「ブランド名+商品名」で検索される頻度は、UGCが多いほど増加する傾向があり、実際にクチコミ数と検索数には相関関係が確認されています。大規模な広告を使わずとも、UGCを活用したSNSマーケティングで効率よく売上につなげることができるでしょう。
④購買決定に大きく影響するから
SNSマーケティングにおいてUGCが重要な理由の4つ目は、UGCは消費者の購買意思決定に強い影響を与えていることです。実際、多くの人が商品やサービスを購入する際にインターネット上の口コミやレビューを参考にしています。こうしたユーザーが自発的に発信する情報は、企業の広告よりも信頼されやすく、購買行動を後押しします。そのため、マーケティング戦略においてUGCの活用は欠かせない要素と言えるでしょう。
⑤資産をストックできるから
SNSマーケティングにおいてUGCが重要な理由の5つ目は、UGCは時間の経過とともに価値が蓄積されていく特性を持っていることです。なぜなら、広告のように一時的な効果で終わるのではなく、投稿が増えるごとに認知や信頼が高まり、マーケティング効果が持続するからです。SNS上に蓄積されたUGCは、商品やブランドに関するリアルな声として検索時の参考情報となり続け、将来的な購買にも影響します。継続的な成果を得るには、UGCの蓄積を意識した施策が重要なポイントとなるでしょう。
SNSマーケティングでUGCを活用するメリット

企業がUGCを活用すると、低コストで効率的に施策を進められます。また、消費者目線のリアルな情報を発信できるため、ターゲットの共感を得やすく信頼構築にも役立ちます。
では、SNSマーケティングでUGCを活用するメリットについて、具体的に見ていきましょう。
低コストで施策展開できる
SNSマーケティングでUGCを活用するメリット1つ目は、企業は低コストで効果的なマーケティング施策を展開できることです。なぜなら、自社SNSアカウントで一般ユーザーが作成した投稿を再利用するだけで、コンテンツ制作にかかる時間や費用を大幅に削減可能だからです。さらに、UGCはユーザー同士で連鎖的に拡散されやすく、少ない投資で広範囲に情報が伝わります。この特性により、限られた予算でも高い成果が期待でき、多くの企業が積極的に取り入れているため、SNSマーケティングにおいて必要な要素でしょう。
消費者と同じ目線で情報発信できる
SNSマーケティングでUGCを活用するメリット2つ目は、企業は消費者と同じ視点から情報を発信できることです。なぜなら、ユーザーの投稿を引用したり参考にしたりすることで、企業の一方的な宣伝ではなく、リアルな声として届けられるからです。例えば、ユーザーが商品の魅力を伝えた内容を企業が共有すると、ターゲット層の共感を得やすくなりますよね。この手法により、親近感のあるコミュニケーションが可能になり、信頼獲得にもつながるのです。
SNSマーケティングでUGCを活用するデメリット

UGCにはメリットがある一方で、デメリットも存在します。ユーザーの投稿にはネガティブな内容が含まれることがあり、炎上リスクが避けられません。また、著作権の問題も適切な許可や確認が求められます。
では、SNSマーケティングでUGCを活用するデメリットについて、具体的に見ていきましょう。
ネガティブな情報が発信される可能性がある
SNSマーケティングでUGCを活用するデメリット1つ目は、ユーザーの自主的な投稿であるため、ネガティブな内容が含まれる可能性があることです。このような投稿はブランドイメージを損なうリスクをはらんでおり、SNS上でのトラブルにつながることも少なくありません。実際、些細な批判が炎上のきっかけとなるケースもあり、企業はこうしたリスクに備え、迅速かつ適切な対応体制を整えておく必要があります。ユーザー発信の情報は拡散力が強いため、早めの対処が重要となります。
著作権に注意しなければならない
SNSマーケティングでUGCを活用するデメリット2つ目は、著作権の問題に十分に注意しなければならないことです。なぜなら、投稿したユーザーが著作権を保有しているため、企業が二次利用をする場合は必ず許可を取る必要があるからです。また、写真や動画に他者の権利が関わる映像や肖像が含まれているケースもあり、無断使用はトラブルの原因となりかねません。SNSマーケティングでUGCを活用する際は、適切な管理と確認体制を整えることが大切でしょう。
UGCを活用した具体的なマーケティング施策

UGCは、ECサイトへの掲載や広告クリエイティブでの活用、SNS投稿への取り入れなど、多様な方法で顧客接点を強化できます。UGCを効果的に活用することで、ユーザーの信頼を得やすくなり、販売促進につながります。
では、UGCを活用した具体的なマーケティング施策について、具体的に見ていきましょう。
ECサイトに掲載する
UGCをECサイトに掲載することで、ユーザーの購買意欲を高めることができます。実際の利用者の声が信頼感を与え、商品情報の透明性を高めるためです。具体的には、商品ページにSNS投稿やレビューを組み込むことで、ユーザーは別のサイトで口コミを探す必要がなくなり、利便性が向上します。その結果、サイトからの離脱を防ぎ、コンバージョン率の向上につながるため、ECサイトにUGCを活用することは、売上アップに直結する効果的な施策と言えるでしょう。
広告クリエイティブに使用する
広告にUGCを取り入れることで、ユーザーの拒否感を軽減し、共感を得やすくなります。なぜなら、実際の消費者が発信したコンテンツが信頼されやすいため、広告として受け入れられやすい傾向にあるからです。例えば、ユーザーの投稿を活用した動画や写真を広告に使用することで、広告視聴率が向上しやすくなります。これにより、広告の効果が高まり、費用対効果も改善されるため、UGCを広告クリエイティブに活用することは非常に効果的と言えるでしょう。
SNS投稿に取り入れる
SNS投稿にUGCを取り入れることで、ユーザーが実際に体験したリアルな声が加わり信頼度が高まります。企業の公式アカウントが発信する情報だけでは、フォロワーの関心は引きつけられません。例えば、ユーザーの投稿をリポストしたり、体験談を引用して発信することで、コンテンツの魅力を増すことができます。こうした投稿はフォロワーの共感を呼び、エンゲージメントの向上にも繋がるため、SNSでの効果的なマーケティング手法となるでしょう。
SNSにおけるUGCマーケティングの成功事例3選

SNSにおけるUGCマーケティングの成功事例を3つ紹介します。
- 日本トイザらス株式会社
- 株式会社JTB
- KCJ GROUP 株式会社
SNSにおけるUGC活用は、多くの企業が注力するマーケティング手法の一つです。実際にUGCを取り入れた企業の成功事例を通じて、その効果や活用のヒントを確認していきましょう。では、それぞれの成功事例を詳しく解説します。
①日本トイザらス株式会社
日本トイザらス株式会社は、全国に約160店舗を展開し、玩具・ベビー用品の分野で国内最大級の規模を誇る企業です。オンラインストアでは、ユーザーの声を活かしたUGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用し、商品ページにリアルな使用シーンを掲載することで、購買意欲の向上を図りました。特に、子どもが実際に遊ぶ様子や年齢に応じた使い方が伝わる投稿を取り入れ、共感を促進しています。SNS上でも親しみやすく信頼されるブランドとしての魅力を高めています。
②株式会社JTB
株式会社JTBは、SNSを活用したキャンペーンを通じてUGCマーケティングを積極的に展開しています。2024年5月には、Instagram上で「#JTB思い出シェア」というハッシュタグを用いた投稿キャンペーンを実施しました。公式アカウントのフォローと写真投稿を条件に、参加者の中から抽選でクーポンをプレゼントする仕組みを取り入れ、多くの旅行体験をユーザー自身の言葉で拡散させました。このような取り組みで、ブランドの共感性と認知拡大を図っています。
③KCJ GROUP 株式会社
KCJ GROUP株式会社が運営する「キッザニア」では、公式サイト上でユーザーのInstagram投稿を活用し、UGCマーケティングを実施しています。来場者のリアルな体験を「ご利用者様の声」として掲載することで、初めて訪れるユーザーにも施設の魅力が伝わりやすくなり、予約の後押しにつなげています。写真だけでなくリール動画なども取り入れ、具体的な体験イメージを広げている点が特徴です。こうした施策により予約率は110%まで向上しました。
SNSのUGCまとめ

本記事では、UGCのSNSマーケティングにおける重要性やメリット・デメリット、成功事例などを解説しました。
UGCは、現代のSNSマーケティングにおいて欠かせない要素です。昨今では、SNS利用者の増加や消費者視点での信頼性の高さから、多くの企業が売上向上や認知拡大に活用しています。ただし、低コストで運用できる反面、ネガティブな投稿や著作権のリスクがあることを把握しておきましょう。
実際の成功事例を参考に、効果的にUGCを取り入れることで、ブランド力の強化やファンの獲得が期待できますので、本記事を参考にUGCの力を最大限に活かしましょう。
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