現在、若年層を中心に幅広い層に普及しているYouTubeですが、普段からYouTubeを利用していて、動画を視聴する際に企業の商品などの広告が流れるのをよく目にしますよね。
多くのユーザーを獲得しているYouTubeですが、YouTube広告には様々な種類や異なる費用があることを知っていますでしょうか。YouTube広告には、いくつかの種類があります。広告ごとに秒数が決まっていたりスキップの可否があったりと、種類によって費用も変わってくることをご存知ですか?
本記事では、YouTube広告の種類や広告費用について解説します。また、YouTube広告の出し方についてもまとめてみました。YouTube広告の種類を知りたい方や、これからYouTube広告を出したいと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてみて下さい。
YouTube広告の特徴
YouTube広告は、動画共有サービスYouTubeに配信ができる動画形式の広告です。YouTubeの検索結果ページや動画の再生前後、動画の再生中に広告を配信することができます。
YouTubeは他のSNSと比較してユーザー層が幅広く、若年層を中心に50代以上の利用率が半数を越えています。また、動画の長さを自由に設定でき、音楽やゲーム実況、ニュースやスポーツなどジャンルが豊富であることが最大の特徴です。
ユーザーの年齢や性別、興味・関心などの適切なターゲティングを行うことで、ターゲット層への認知度向上や収益化が期待できるでしょう。
YouTube広告のメリット
幅広いユーザーにリーチできる
YouTube広告のメリット1つ目は、幅広いユーザーにリーチできることです。なぜなら、YouTubeはGoogleに次ぎ世界で2番目に利用されているサイトで、年齢層で言えば全ての年代で利用されているからです。YouTubeの人口統計を調査した「YouTube by the numbers」では、2020年世界での1日のアクティブ数が3000万人を超え、1日あたりに視聴された動画の数は10億以上と莫大な数のユーザーが利用しているのです。そのため、YouTube広告を用いれば、年齢を問わず幅広いユーザーにリーチができるでしょう。
詳細なターゲティングを設定できる
YouTube広告のメリット2つ目は、詳細なターゲティングを設定できることです。なぜなら、YouTubeはGoogleのデータに基づいた様々なターゲティングが可能だからです。年齢、性別、地域、時間帯など基本的なデモグラフィックターゲティングやトピック、カテゴリ、キーワードを指定し、それらを組み合わせることで興味を持ってくれそうなユーザーを絞り込んで広告を配信できます。このように、様々なターゲティング方法を活用することで、ユーザーに向けて効果的な広告配信が可能になるでしょう。
目的に合わせて広告配信できる
YouTube広告のメリット3つ目は、目的に合わせた広告配信ができることです。なぜなら、YouTube広告は、検索広告やショッピング広告と比べ、企業が広告配信する目的を自由に決められるからです。例えば、広告を見たユーザーを自社サイトへ誘導したい場合、YouTube広告に備わっている「コールトゥアクションボタン」という機能を搭載することにより、動線を作ったり、商品購買へ繋げたりすることが可能になります。その他にも、達成したい目的別にキャンペーンを定めることができるなど、目的に関する機能を使用することで目的に合わせた効果的な広告配信が可能になるでしょう。
PDCAを回せる
YouTube広告のメリット4つ目は、PDCAを回せることです。なぜなら、YouTube広告は、管理画面でインプレッション数、再生回数、再生時間、クリック数などユーザーの行動を計測することができるからです。そのため、配信した動画のどのような点が良かったのか悪かったのかを数値で可視化・分析することが可能になり、効果検証ができます。ただし、広告を出稿する目的によって見るべき指標は変わってくるため、注意しましょう。
YouTube広告の種類
インストリーム広告
インストリーム広告は、YouTube動画の冒頭や最後、途中で再生される広告です。動画視聴の過程で表示されるため、平均視聴率は20%〜50%と高い傾向にあります。また、インストリーム広告には、スキップ可能な広告と、スキップ不可の広告があります。スキッパブル広告(スキップ可能な広告)は、広告が5秒経過すると、ユーザーが広告をスキップできる広告なのに対し、ノンスキッパブル広告(スキップ不可の広告)は、15秒以下の動画広告で、広告が完了するまでスキップできません。インストリーム広告は、動画スキップの可否と配信タイミングによって広告タイプが分かれるため、目的やユーザーのターゲット層に合った適切な運用を意識しましょう。
バンパー広告
バンパー広告は、YouTube動画の再生途中に動画を配信できる広告です。動画の長さは6秒と決められており、6秒間広告がスキップできないという最大の特徴があります。6秒以下の短い動画広告であるため、ユーザーは視聴を続けやすく、視聴完了まで広告をアピールできる点がメリットです。そのため、短くて印象に残りやすい内容で幅広いユーザーにリーチできるコンテンツが効果的と言えるでしょう。
インフィード動画広告
インフィード動画広告は、YouTubeの関連動画の横やYouTube検索結果、YouTubeモバイルのトップページなどのYouTube上でユーザーが動画を探す場所に表示される広告です。ユーザーが視聴している動画に関連した動画広告を出すことができるため、クリック率が高いと言われています。また、クリックされなければ広告費は発生しませんので、コストも抑えることが可能です。インフィード動画広告は、動画を見てもらいたい時に効果的な広告と言えるため、ユーザーが動画コンテンツを見つける場所で動画広告をアピールしましょう。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、YouTubeの視聴中や関連動画、おすすめ動画一覧の一番上に表示される他、Webサイトやモバイルアプリにも配信可能な画像広告です。通常の動画コンテンツや他の広告と比べ、YouTube内のディスプレイ広告はやや大きく表示される点が最大の特徴です。動画の視聴中や関連動画を探しているユーザーの目にとまることが期待できるため、認知拡大としてもかなり効果的な広告と言えるでしょう。
マストヘッド広告
マストヘッド広告は、YouTubeのホーム画面最上部に掲載される動画広告です。最大30秒間音声なしで自動再生されます。ターゲティング設定はできませんが、国単位で配信エリアを指定することが可能です。マストヘッド広告は、YouTubeトップページの最も目立つ場所に広告が表示されるため、最大限にユーザーへのリーチが期待できます。自社の新しい商品・サービスの認知度向上や短期間で大規模なオーディエンスにリーチしたい場合にも、最適な広告と言えるでしょう。
アウトストリーム広告
アウトストリーム広告は、YouTube内ではなく、YouTubeのパートナー認定を受けたWebサイトやアプリで配信が可能な動画広告です。アウトストリーム広告は、Google動画広告を用いて配信することができ、動画のリーチ数をリーズナブルな費用で配信できる点がメリットです。画面に広告が表示されると自動的にミュート状態で再生され、タップしてミュート解除ができる他、スクロールして動画を飛ばしたり、自社サイトへの誘導も可能です。モバイルで動画広告のリーチを拡大させたい場合には、アウトストリーム広告を活用してみましょう。
YouTube広告の費用
CPV(視聴単価)
CPVは、ユーザーが動画広告を一定の時間視聴するごとに課金されるシステムで、費用相場は、1再生あたりおよそ5円〜10円です。動画広告を30秒以内にスキップされると課金されないため、広告に興味がないユーザーは課金が発生する可能性が低く、コストを抑えて運用できる点がメリットです。また、ユーザーが広告に興味を持って動画を視聴しても、最終的に商品やサービスに魅力を感じてもらえず、広告費だけかかって成果が得られなければデメリットと言えます。そのため、ユーザーの興味・関心や視聴率を高める広告作りが必要でしょう。
VR(視聴率)
VRは、ユーザーの視聴に繋がった広告表示の割合を示すもので、YouTube広告が30秒間再生された場合の割合です。視聴回数を合計インプレッション数で割ることで算出できます。また、平均視聴率は、動画広告が特定のユーザーにどの程度関連しているのかを示し、YouTube広告の品質スコアに大きく影響します。目標は100%ではなく、視聴率が平均視聴率を大幅に下回っていないかを特定するように心がけましょう。
CPM(表示単価)
CPMは、動画広告が1000回表示されるごとに課金されるシステムで、費用相場は、1000回の表示あたりおよそ400円〜600円です。他の課金システムと比べて低コストで運用できる点がメリットですが、動画広告が短すぎるとコスパが悪くなるため、ある程度長さのある広告を作る必要があります。また、CPMのインストリーム広告では、スキップできないことによってユーザーに嫌悪感を抱かせてしまう可能性もあるため、ターゲティングの精度やクオリティの高い広告作りが効果的な運用の鍵になるでしょう。
CPC(クリック単価)
CPCは、ユーザーが広告をクリックするごとに課金されるシステムで、費用相場は、1クリックあたりおよそ3円〜20円です。広告に興味がないユーザーは広告をクリックしないため、無駄なコストが発生しにくい点がメリットです。一方、想定している以上にクリック数が伸びてしまうと、費用対効果が悪化するリスクがある点はデメリットと言えます。クリックからコンバージョンが発生していれば問題ありませんが、クリック率が低い状態でクリック数が増えてしまうと、コストばかり増えてしまう可能性があるため、運用する場合は、継続的な最適化を目指しましょう。
YouTube広告の出し方
YouTubeチャンネルに動画をアップロードする
まずは、YouTubeチャンネルに動画をアップロードします。YouTubeにログイン後、画面右上の「作成」をクリックします。アップロード用画面に切り替わったら、動画をアップロードしましょう。
その後、設定画面でタイトル(必須)・説明・視聴者を入力します。動画のURLもコピーしておきましょう。
次に、公開設定をします。「非公開」ですと、この後のGoogle広告管理画面で設定ができないため、「限定公開」にして、「保存」をしておきましょう。
Google広告の管理画面で動画キャンペーンを作成する
YouTubeチャンネルに動画をアップロードできたら、Google広告の管理画面で動画のキャンペーンを作成します。Google広告アカウントにログイン後、「+新しいキャンペーンを作成」をクリックしましょう。例えば、スキップできないインストリーム広告を使用する場合、目標は「ブランド認知度とリーチ」を選択します。キャンペーンのタイプは「動画」を選択し、キャンペーンのサブタイプは、「動画リーチキャンペーン」を選択します。最後に目標をどのように選択するかは、「効果的なアプローチ」を選択しましょう。
キャンペーンの詳細を設定する
Google広告の管理画面で動画のキャンペーンを作成できたら、キャンペーンの詳細を設定します。全般設定画面にて、キャンペーン名・予算と日程・ネットワーク・地域・言語を設定しましょう。全て設定する必要はありませんが、最低限のキャンペーンの詳細を入力します。
広告グループを設定する
キャンペーンの詳細を設定できたら、広告グループを選択します。広告グループ名、オーディエンスセグメント(ターゲティング設定)を設定しましょう。
広告を作成する
広告グループを選択できたら、広告を作成します。YouTubeにアップロードしたURLを入力しましょう。画面が切り替わったら、必須項目である最終URL・表示URL(最終URLから自動反転)・広告名・入札単価を設定します。以上で、最低限の設定は完了です。キャンペーンの設定完了後、確認画面が出ますので確認しておきましょう。
キャンペーンの設定完了後には、審査があり、1時間程度~半日で結果が出ます。審査完了後に配信が開始されます。
YouTube広告を消す方法は?
YouTube広告を消したいのであれば、YouTube Premiumに登録することをおすすめします。YouTube Premiumとは、YouTubeの月額有料サービスで、登録すると広告なしで動画を視聴することができます。
さらに、YouTube Premiumは広告を消すだけでなく、以下4つのメリットがあります。
- 動画をダウンロードすれば、オフライン再生ができる
- バックグラウンド再生ができる
- YouTube Music Premiumが利用できる
- YouTube Originalsの視聴ができる
YouTube Premiumは、上記のような様々なメリットがあるため、YouTubeをよく利用するユーザーにはおすすめのサービスです。
YouTube広告に関するよくある質問
YouTube広告をブロックするには?
個人的な理由やコンテンツ上の理由から、YouTube動画に特定の広告を表示させたくないこともありますよね。その場合、YouTub Studioのブロックコントロールを使用して、広告をブロックすることができます。
YouTube広告をブロックする方法は、以下の通りです。
【動画再生ページ広告】タブから
1.PCからYouTube Studioにログインする
2.左側のメニューより「収益化」をクリック
3.「動画再生ページ広告」をクリック
4.「広告カテゴリ」をクリック
5.「保存」をクリック(変更は24時間以内にチャンネルに反映されるので注意しましょう)
【設定】タブから
1.PCからYouTube Studioにログインする
2.左側のメニューより「設定」をクリック
3.「広告カテゴリ」をクリック
4.「保存」をクリック(変更は24時間以内にチャンネルに反映されるので注意しましょう)
ブロックのコントロールは、動画再生ページで配信される広告にのみ適用され、フィード動画やショート動画で配信される広告には影響しません。フィード動画やショート動画の性質上、特定の広告カテゴリをコンテンツ内またはコンテンツ横で完全に非表示にすることはできませんので注意しましょう。
YouTube広告は人によって違う?
結論から言うと、YouTubeでは人によって異なる広告が配信されます。なぜなら、Google広告のパーソナライズド広告の機能が適用されているからです。パーソナライズド広告とは、YouTubeを利用する個々のユーザーの属性や嗜好などに合った広告を表示する広告配信技術のことです。つまり、YouTubeはGoogleの分析に基づいた効率的なターゲティングを行い、ターゲット層に広告を配信しているのです。ユーザーはYouTubeを無料で利用する限り広告表示を受け入れなければなりませんが、興味のない分野の広告より、自分好みの商品やサービスに出会える可能性のある広告の方が魅力的と言えるのではないでしょうか。
YouTubeの広告が長いのはなぜ?
YouTubeの広告が以前より長くなっていると感じているユーザーは多いのではないでしょうか。YouTubeには連続した2つの動画広告、いわゆる「連続広告」があります。YouTube動画の冒頭で単一の広告として再生され、複数の要因やGoogleの基準に基づき、スキップが可能かどうか決定されます。YouTubeの連続広告のスキップできない部分は、平均5秒から15秒とそれほど長くはなく、ユーザーのオンライン検索履歴に基づいた内容になっています。YouTubeの広告が以前より長くなっているのは、YouTubeのフォーマットが更新され、連続広告が導入されているからなのです。
YouTube広告まとめ
本記事では、YouTube広告の種類や広告ごとに必要な費用、YouTube広告の出し方についてご紹介しました。YouTube広告は、YouTubeを視聴しているユーザーに広告を見てもらうためにターゲティング設定をきちんと行うことが大切です。
YouTube広告を始めたいと考えている方は、適切なターゲティング設定をし、広告を見てもらえる可能性を高めることで、自社商品の購買に繋げられるでしょう。
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